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クモ膜下出血のQ&A

Q1  クモ膜下出血とはどんな病気ですか。
Q2.  クモ膜下出血はどの位多い病気ですか。
Q3.  クモ膜下出血は大変恐ろしい病気と聞きましたが本当ですか。
Q4.  クモ膜下出血はどんな症状ですか。
Q5.  突然の激しい頭痛があり、クモ膜下出血かもしれないと思ったらどうすべきですか。
Q6.  クモ膜下出血と診断されたらどういう治療を受けるのですか。
Q7.  脳動脈瘤の再破裂防止のための手術はどんなものですか。
Q8.  手術が無事成功すれば助かるのですか。
Q9.  クモ膜下出血を起こしやすいのはどんな人ですか。高血圧は関係しますか。
Q10.  脳動脈瘤はどうやってできるのですか。遺伝するのですか。
Q11.  脳動脈瘤があれば必ず破裂するのですか。
Q12.  クモ膜下出血を予防する方法はありますか。
Q1.  クモ膜下出血とはどんな病気ですか。
A1.
 脳を包んでいるクモ膜という半透明(クモ糸の様子)の膜と脳の表面の間には脳脊髄液という水が流れています。
このスペースをクモ膜下腔と呼んでいます。クモ膜下出血とはこのクモ膜下腔に出血する状態をさします。
従って、頭部外傷などでもクモ膜下出血は生じます。しかし一般にいうクモ膜下出血とは、脳の表面を走る比較的太い動脈に瘤ができて、これが破裂してクモ膜下腔に出血が拡がるものと考えてください。
Q2.  クモ膜下出血はどの位多い病気ですか。
A2.  日本では年間人口10万人あたり15人のクモ膜下出血の発症率といわれています。従って越谷市でも、1年に45例前後のクモ膜下出血の患者さんがいらっしゃると推測されます。
Q3.  クモ膜下出血は大変恐ろしい病気と聞きましたが本当ですか。
A3.  本当です。急死〜突然死する場合もあり、統計によるとクモ膜下出血を生じると、約半数の人が死亡するといわれています。生きて医療機関に搬入されても、1/3は社会復帰できますが、1/3は後遺症を残し、1/3は死亡するとされています。
Q4.  クモ膜下出血はどんな症状ですか。
A4.  突然、激しい頭痛が生じ、吐いたりします。また突然意識を失い、その後回復して頭痛を訴える場合や、意識障害が続く場合もあります。とにかく、突然の激しい頭痛を生じたら、クモ膜下出血をまず疑ってみるべきです。
Q5.  突然の激しい頭痛があり、クモ膜下出血かもしれないと思ったらどうすべきですか。
A5.  直ちに脳神経外科専門医のいる施設に受診すべきです。
経験したことない激しい頭痛など生じたら救急車を呼び安静にしておくことです。脳外科施設で頭部CTを撮れば、ほとんどクモ膜下出血か否か判断できます。
ただ、脳外科や神経内科以外のお医者さんですと、軽症例の診断が難しい場合もあるので、必ず専門医の診断が必要です。
Q6.  クモ膜下出血と診断されたらどういう治療を受けるのですか。
A6.  まず、クモ膜下出血という診断が確定したら脳血管撮影を行い、原因となる脳動脈瘤があるかどうか、脳動脈瘤の部位、形、大きさを診断します。
そして動脈瘤の再破裂防止を目的に、手術を行います。何故なら、再出血を生じたら死亡率は70〜80%とされ、かなり危険だからです。
Q7.  脳動脈瘤の再破裂防止のための手術はどんなものですか。
A7.  開頭して、手術用顕微鏡を用いて動脈瘤の首根っこの部分(ネック)に、金属製のクリップをかけて締め、動脈瘤に血液が流れないようにします。(ネック・クリッピング)これが最も確実な方法です。
 また10年前頃より血管内手術といって動脈から細いカテーテル(管)を入れて、脳動脈瘤にコイルをつめる方法(コイル塞栓術)も行われています。
開頭しないですむので魅力的な方法ですが、この方法では経過を追っていくとコイルが縮小して動脈瘤が再発することが時々あることがわかってきました。
現在のところ、高年齢、全身麻酔が困難な状態の人、直接手術(ネック・クリッピング)が困難な部位の動脈瘤などに適応とされ、ネック・クリッピング可能な場合は、これを優先させています。
Q8.  手術が無事成功すれば助かるのですか。
A8.  必ずしもそうではありません。
クモ膜下出血に伴い合併症が様々あるからです。その最大のものは"脳血管レン縮"です。
これはクモ膜下腔に出血した血液成分の赤血球のヘモグロビンが分解される段階で、クモ膜下腔の脳動脈が刺激され、細くなる現象です。これが重いと意識障害が出現し、脳梗塞(脳に血液がいかなくなりダメになる)を生じたりします。
その他、クモ膜下腔の髄液の流れが妨げられ、脳室に髄液がたまる正常圧水頭症や、胃や十二指腸に潰瘍を伴って出血したりする消化管出血などがあります。無事手術が終っても、これらの合併症の時期を乗り越えて(2〜3週間)やっと安心できます。
Q9.  クモ膜下出血を起こしやすいのはどんな人ですか。高血圧は関係しますか。
A9.  一般にクモ膜下出血は40才以降の中高年に多発します。古い統計では平均年齢が40才代とされていましたが、最近では高齢者にも多く平均年齢も50〜60才台と高くなってきています。やや女性に多く、60%が女性です。
また、高血圧がない正常血圧の人でも生じますが、一般に高血圧のある人は若い時から発生する傾向にあります。また、アメリカやヨーロッパの報告では喫煙は危険因子とされています。
Q10.  脳動脈瘤はどうやってできるのですか。遺伝するのですか。
A10.  脳動脈瘤は様々な要因で発生しますが、最も主要なものは先天性脳動脈瘤です。先天性脳動脈瘤は生まれつき脳動脈の分岐部の血管壁の中膜の平滑筋層が欠損しており、この部分に血液負荷がかかり、次第に膨隆して動脈瘤が形成されます。
特別な場合(先天性ノウ胞腎など)を除いては強い遺伝関係は認められていません。
しかし、親子か兄弟に脳動脈瘤またはクモ膜下出血と診断された人がいる場合、そうでない人と較べると2〜6倍脳動脈瘤が脳血管撮影などで発見されやすいとされています。
Q11.  脳動脈瘤があれば必ず破裂するのですか。
A11.  脳動脈瘤がどのくらいの頻度で破裂(出血)するのか確実なデータはありません。
一般に偶然に発見された未破裂動脈瘤は1年に1〜2%の頻度で破裂するという報告が多いです。
また動脈瘤の部位、大きさ、形などでも異なり、一般に前交通動脈瘤は破裂しやすく、内頚動脈の中枢側の動脈瘤は破れにくいとされています。形も不整なものが破裂しやすいといわれています。
Q12.  クモ膜下出血を予防する方法はありますか。
A12.  高血圧の治療や禁煙は脳卒中のすべてに必要です。
クモ膜下出血を確実に予防するには破裂前に脳動脈瘤を発見し、これを処置するのが唯一の方法です。
脳卒中の予防を目的にはじめた脳ドックでは、MRAというMRIを脳血管撮影で全く安全に苦痛なく、動脈瘤の有無を調べることができます。
MRAで脳動脈瘤が発見されたら、その動脈瘤の形や部位、患者さんの状態や意思などで十分に検討し話し合い、手術するか否か、手術としてネック・クリッピングか良いか血管内手術(コイル塞栓術)が良いか決めることになります。